世界経済はユックリですが、階段を上るように着実に成長しています。
しかし、各地域に目を向けてみると米中問題やEU政治の混迷、対立が続く中東情勢など様々な不安要素が点在・・
近年は変化が激しいので投資先の選択が非常に難しくなってきました。
“20年後の世界勢力図”や“主役となる産業”などを完全に予測するのは不可能と言ってよいでしょう?
ただし、高い可能性で予想できることがあります。
それが“世界経済の成長”!
今回の記事で紹介する「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、世界分散というのが大きなテーマとなっており地球を丸ごと購入するイメージ。
しかも、「業界最低水準を目指し続ける」という運用方針を打ち出しているeMAXIS Slim シリーズですからコストは最安水準です!
個人的には長期投資の選択肢として3本の指に入る有力ファンドだと考えています。
資産運用の王道とも言える「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」について詳しく紹介していきます。
この記事の目次
商品概要 ~資産運用で注目 3つの魅力~
最初に「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の概要を紹介します。
以下の表にまとめましたが重要点は後で詳しく説明しますので、サラッと目を通すだけで大丈夫です。※2021年4月30日 現在
運用方法 | 全世界株式(オール・カントリー) |
連動指数 | MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算) |
運用会社 | 三菱UFJ国際投信株式会社 |
ファンド形式 | ファミリーファンド形式 |
設定日 | 2018年10月31日 |
決算日 | 年1回(4月25日) |
買付け手数料 | 無料 |
信託報酬 | 0.1144% ※500億円未満の部分 |
信託財産留保額 | なし |
さて、ここからが本題!「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」で、注目すべき点をクローズアップしていきます。
『世界分散・コスト・将来性』の3点を見ていきたいと思います。
魅力1. 世界各国の2000銘柄以上に分散投資
値動きの基準となるMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI-ACWI)は、23の先進国(日本含む)と24の新興国の合計47ヶ国の株式を投資対象としています。
銘柄数も2700以上の大型・中型株で構成されており、地球丸ごと投資として充分なボリュームです。
2021年4月30日現在の投資比率は以下の通りです。
分散ファンド | 投資対象 | 割合 |
日本株式インデックスマザーファンド | 国内株式 | 6.2% |
外国株式インデックスマザーファンド | 先進国株式 | 80.9% |
新興国株式インデックスマザーファンド | 新興国株式 | 12.8% |
投資信託によっては、将来性という点で新興国株の比率が高めになっているケースがあるのですが、私は安定感という点で考えると2割以下に抑えて欲しいという気持ちがあります。
そういった点から見ても「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、非常にバランスが良いと感じました。
分散で利用しているファンドもインデックスとの乖離が小さく合格点。
運用も大手の三菱UFJ国際投信ですので、安心してお金を預けられますね。
補足:投資対象は時代に合わせて変わっていく
分散投資は自分でファンドや株式を組合わせて行う事もできますが、時代に合わせて修正していかなくてはいけません。
5年前と今では各国の状況は勿論、主役となる企業も大きく変わっています。これは今後も同じだと思います。
その修正を個人で行うと相当な労力が必要ですが、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」であればホッタラカシでOK。
値動きの基準となるMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI-ACWI)が時代に合わせて変化をしているので余計な手間はかかりません。
例えば2015年4月末と2021年4月末の組入れ上位5銘柄を見てみましょう。
順位 | 2015年4月 | 比率% | 2021年4月 | 比率 |
1位 | アップル | 1.9 | アップル | 3.4 |
2位 | マイクロソフト | 1.0 | マイクロソフト | 2.7 |
3位 | エクソンモービル | 1.0 | アマゾン | 1.2 |
4位 | ジョンソン&ジョンソン | 0.8 | アルファベット | 1.4 |
5位 | ゼネラルエレクトリック | 0.7 | フェイスブック | 1.2 |
この表を作っていて驚きましたが、2015年4月の時はアマゾンはトップ10にすら入っていませんでした。
また、国別比率も以前より日本は低下、アメリカは上昇しています。
こういった時代に合わせた自動修正が行われる点は、非常に魅力だと思います。
魅力2.長期運用に嬉しい低コスト設計
長期投資をする上で注意したいのがコストです。
投資信託は専門家が代わりに運用・管理を行うので、保有期間中も資産に応じて費用(信託報酬)が発生します。イメージとしては年会費に近い感じです。
この信託報酬は年率0.2~2%程度で一見すると非常に小さい金額なのですが、5年・・10年・・と長期になるにしたがい大きな差になります。
100万円を5%の利回りで運用
信託報酬 | 運用10年 | 運用20年 | 運用30年 |
0.5% | 155万 | 241万 | 374万 |
1.0% | 148万 | 219万 | 324万 |
1.5% | 141万 | 199万 | 280万 |
たった1%の違いで100万の差になりました。投資信託を探す時には商品設計は勿論ですが、コストの確認も非常に重要です。
では、本題ですが「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」のコストと確認しましょう。
購入時に必要な買付け手数料は0円(ノーロード)なので、最初に余計な費用は一切発生しません。
次に上記で説明した信託報酬は0.1144%と世界株式の類似ファンドの中では最安水準!
日本株を含む世界分散では、楽天・全世界株式インデックスファンドが有名ですが、それよりも更に低いコストとなっています。※2021年4月30日
商品名 | 信託報酬(税込み) |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 0.1144% |
楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 0.202% |
個人的な話として、仮に上記2社のコストが同一だった場合でも、私は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を選択すると思います。
楽天・全世界株式インデックス・ファンドは「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」を実質の投資先としているのですが、指数に対して若干ズレる時があります。
純粋に世界経済の成長をそのまま反映という点では、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の方が優位性が高いと感じています。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の信託報酬は、純資産が一定額を超えた部分は信託報酬が引き下がる方式となっています。
★500億以上~1000億未満は0.11385%。
★1000億以上で0.1133%になる予定。
既存ファンドよりも低水準ということに加えて、純資産総額に応じて引下げも予定されており満足度は120%です。
今後も最安水準は確定?
現在が最安水準という事は魅力ですが、それ以上に興味深いのは、今後も最安値水準が続く可能性が高い点です!
eMAXIS Slimシリーズは、コストに対して「業界最低水準を目指し続ける」という方針になっています。
これは、類似ファンドがコストを引き下げて最低水準を更新すれば、それに追随してコストを引き下げていくという事です。(100%ではありません)
つまり、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を運用している投資家は、「最低コストのファンドは何?」なんて考える必要は無いのです。
ちなみに、このシリーズでは株式・債券・不動産など幅広い資産を組合わせたバランスファンドも人気があります。
関連:eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) 代名詞は“業界最低水準コスト”!?
魅力3.世界経済の成長に乗っていく運用
最後に地球に丸ごと投資(世界分散投資)することの魅力について触れておきます。
IMFより世界経済見通しが発表されましたので確認してみてください。
2020年 | ※2021年 | ※2022年 | |
世界 | ▲3.1% | 5.9% | 4.9% |
先進国 | ▲4.5% | 5.2% | 4.5% |
米国 | ▲3.4% | 6.0% | 5.2% |
ユーロ圏 | ▲6.3% | 5.0% | 4.3% |
日本 | ▲4.6% | 2.4% | 3.2% |
新興国 | ▲2.1% | 6.4% | 5.1% |
中国 | 2.3% | 8.0% | 5.6% |
インド | ▲7.3% | 9.5% | 8.5% |
※2021年・2022年はIMF予想(2021年10月12日)
※前回7月より21年の世界経済見通しは0.1%の下方修正。
各国とも諸問題を抱えており見通しは凸凹ですが、世界全体は比較的安定。
専門家の意見も長期的に3%程度の推移する予想が主流です。
主要国をみると成長率はその年によってバラつきがありますが、世界全体では比較的安定していますね。
近年は情勢変化が激しいので、地球全体に投資を行う「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は堅い投資を希望している人にとっては魅力的です。
補足:世界人口は右肩上がりで増えている
「人口増加=株高」ではありませんが、それが経済にとって追い風であることは間違いありません。
身近な例で考えても、子供が一人生まれれば洋服・食べ物・教育など様々な経済活動が発生しますからね!
日本に関しては人口減少で経済や社会保障など多くの問題が出てきていますが、世界的には人口爆発というのが現実です。
2020年、2025年、2030年のザックリとした人口予想を書いておきます。
2020年 | 2025年 | 2030年 | |
世界全体 | 76億人 | 81億人 | 85億人 |
日本 | 1.25億人% | 1.23億人 | 1.20億人 |
日本は厳しい状況ですが、世界の人口は凄い勢いで増えていく予想です。
地球全体に投資という点では追い風の材料と言って良いでしょう。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の感想
今回は「最強のド定番?eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は資産運用の王道だ!」について書きました。参考になる点があれば、商品選定のヒントにしてください。
世界はいつの時代も何らかの火種は抱えています。
こういったリスクを分析して上手に回避するのは本当に難しいことです。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は地球全体の投資なので、堅い投資を希望する人や投資経験が浅い人には有力な選択肢になると思います。
もしも、私が株式投資で「1銘柄のみしか投資できない」という条件があったとしたら“eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)”は有力な候補の一つ。
世界分散投資でコスト最安値を追及したい人には大注目の投信と言って良いでしょう。
補足:日本株はカットしたい場合は?
類似商品で「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」という商品があります。
この投信は日本株は含まれないタイプなので、既に日本株を多く保有している人やひふみ投信などの日本株中心の投信を運用している人は選択肢になりますね。
こちらも超低コストですので長期投資に向いているファンドです。
以前に記事で特徴をまとめていますので興味がある人は覗いてみてください。
関連:eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) インパクト最大級の投信
今回は『最強のド定番?eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は資産運用の王道だ!』について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
購入先:以下の3証券で取扱いがあります。
証券会社&説明 | 公式サイト・お申込み |
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